心まで結婚していなくても。2
- 2026.08.15
- 未分類
薄っぺらな言葉。


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あとがき
髪を切ったことを
褒めてほしかったわけじゃない。
「似合う」って
言ってほしかっただけでもない。
これから生まれてくる子どもたちのために、
少しでもお金を残したかった。
少しでも自分にかかる時間を減らして、
その分、子どもたちに使いたかった。
葵の頭の中は、
もう自分のことより
家族のことでいっぱいでした。
だから本当は、
「なんで髪、切ったの?」
その一言が欲しかったのかもしれません。
理由を聞いてほしかった。
自分が何を考えて、
何を大切にしようとしているのか。
そこを見てほしかった。
「全部を愛してるよ」
あの頃は、
その言葉がとても嬉しかった。
でも——
私の「全部」って、
どこまで見えていたんだろう。
葵の中に生まれたのは、
怒りではなく、
ほんの小さな寂しさでした。
このときはまだ、
その小さな寂しさが
これから少しずつ積み重なっていくことを
葵は知りませんでした。
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